森野は、大人しく自己主張が強くない選手が多いドラにあって、良くも悪くも自我の強い選手でした。
ルーキーシーズンでプロ初打席初ホームランという華々しいデビューをしながら、レギュラーに定着できたのは9シーズン目という遅咲きの苦労人。
しかし落合元監督の殺人ノックに耐えて成長し、ミスタードラゴンズ・立浪氏からポジションを奪取すると、鋭いライナー性の打球でロングヒットを量産する中心打者となって、ついには日本代表にも選出されるに至りました。
シーズン本塁打の最多は23本でしたが、OPSは最大.950をマークするなど、強打者として他球団からマークされる立場となったように、とくに読売戦での活躍が印象的でしたな。
しかし晩年はトラブルが続き、まず低反発球で打撃を崩して前年から打率を一割も下げてしまい、そして公式球がもとに戻ったことで復調したというのに、一昨年には開幕カードのアクシデントで指を骨折。
結果的にはこのケガが、致命傷になってしまったのかも知れまへん。
このように奴のプロ生活は山あり谷あり、波乱万丈だったように見えますが、一つだけ間違いないのは長いドラの球団史において、奴が輝かしい時代に大きく貢献したということです。
ドラに指名されてプロの門を叩き、そしてその成長過程をファンに示しながら、ドラのユニフォームを着たまま引退するというのは、FAで選手の流動性が高まった現代において、私のようなオールド・ファンにとっては特別な意味がありますわ。
またドラのユニフォームを着ることになるでしょうが、その時は新たに強いドラゴンズを作ってもらいたい。
21年間の長い間、ホンマにご苦労さん。
ありがとう!!
試合の方は、今日も笠原がええところを見せてくれました。
武器であるチェンジアップが冴えて、7イニングを119球、6安打、8三振、5四死球で2失点。
しかし100球を越えてくるあたりから握力が落ちてきたようで、ボールが上ずり始めて詰まらせていたストレートの威力もなくなっていきました。
スカパーで実況が、京田が二遊間のゴロ処理を間違えなければ…と言ってましたが、あのプレーでギリギリ保っていた奴の中の均衡が破れて投球がボロボロになり、押し出し二つで2点を失ってしまいましたな。
それでも中盤までは、強力カープ打線に対して十分通用するところを見せてくれたと思います。
投打とも戦力層の薄さが問題やったけど、投手については奴も含めて希望が見えてきたように見えますんで、是非ともオフの鍛錬を怠らずに来季の飛躍を繋げてもらいたいですな。
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