出涸らしのコーヒーみたいなドラの野球より、最近発売された書籍の方が百倍面白い。
まだ半分も読めてまへんが、そのドキュメンタリーにはグイグイと読み手を導く、生々しい迫力があります。
各年のシーズンを、特定の人物にスポットを当てながら描写していく。
星野時代によく言われていた、「監督のために」なんつー甘い連帯感はチームに皆無であり、落合監督と周囲には厳然たるカベが存在して、それによってビンビンに張り詰めた緊張感のなかで、ドラゴンズはシーズンを戦って行く。
知っていたこと、知らなかったこと、いろんなイベントが登場しますが、読了した範囲で貫かれていたのは、「プロフェッショナル」やったと思います。
組織として、選手として、そして監督として、プロフェッショナルとは何か。
落合博満が考えるプロ像が、濃密に描かれてますわ。
そのプロ像が正しいものかどうか、評価は人それぞれでしょう。
しかし彼には個人的な功名心などはほとんどなく、そのプロ像を貫き、真のプロ集団を作ることだけを目指してたんやと思います。
そしてそのプロ像が万人に受け入れられなかったがために、最後は排斥されてしまった。
その後のドラは復活の気配すらなく、球団そのものがほとんど難破船やね。
誰かがこのスクラップを、その誰かさんが考えるプロ集団として再生し、また黄金期を迎えて欲しい…と。
叶うことのない夢を見る毎日ですわ。
つーか、他球団で落合体制が成立したら、そこのファンに移るかも知れまへんわ。
これを読みつつ、そう強く考えてます。
親サイト : 「関西竜魂」 http://www5c.biglobe.ne.jp/~kandra/