メジャーリーガーを数多くメンバーに揃えたメキシコを、戦前から格下のように扱う報道には、違和感しかありまへんでした。
明らかに東京ラウンドで戦ってきた相手とは、二枚は実力は上であり、投手がよっぽど頑張らんとやられると思ってましたんで、佐々木がスリーランを食らった時点で、相当苦しい試合になると覚悟しました。
案の定、MLBの左打者を圧倒してきたという、メキシコ先発の左腕・サンドバルに打線は抑え込まれ、さらには昨季13勝のアルキーデイが登場して、中盤まではJAPANはホームベースが遠い展開。
ただしメキシコは、アメルカやドミニカほど投手は揃ってないとの情報があったんで、アルキーディを降ろしてメキシコのブルペン陣が登場してからが勝負やと思ってました。
そして7回、早くも二死となってから近藤が血路を開くと、そのアルキーディが降板してロメロにリレー。
どうやらロメロはメジャーリーガーやということは分かったんやけど、それでも投球練習を見る限り、これまでの二人よりは格落ちに見えましたんで、何とか奴を攻略したいと考えてると大谷が四球で一二塁。
そこで吉田が打った打球はフワッと舞い上がった…けど、その行方が画面の中で見得ない!
ファールかと思ったところで「入った~!」という実況!!
今大会のJAPAN打線を牽引してきた奴の一発で同点!
ここですぐに思ったのは、一番喜んでるのはたぶん、レッドソックス球団やろな…ってことやったけど(苦笑)。
しかし直後に山本が打たれて、再びリードを許す展開に逆戻り。
日本の投手陣は米国すら上回ると言われてるけど、NPBが誇るスーパーエースたる佐々木も山本も、メキシコ打線に対して打順二回りを投げ切れず。
3点ビハインドを追いついた後ですぐ失点した山本の姿からは、最高の立ち上がりをしながらリードをもらった直後に乱れた、韓国のキム・ガンヒョンを思い出しましたわ。
やはりアメリカに勝ち、二大会連続準優勝のプエルトリコも下した、メキシコはめちゃくちゃ強い!
そして1点ビハインドで迎えた9回。
先頭打者の大谷がコンパクトに振り抜いて、右中間へライナーを飛ばして二塁へ到達!
二塁塁上であのクールな大谷が吠える!!
続く吉田も四球を選び、そして後続の村上に「お前が決めろよ!」とばかりに指さすポーズ。
無死一二塁の絶好の場面に、絶不調の村上が打席に。
この試合の中でもチャンスに三振、凡退を繰り返しており、まったく打てる気配がなかっただけに、万事休すかと思ってたんやけど…。
二球目の低めへのスライダーを、いい体勢で見送ってたんで「もしかしたら」と、薄っすら期待感を抱きました。
そして続く三球目を弾き返すと、センター深くフェンス直撃のサヨナラタイムリー!!!!
何より村上自身が苦しく、血反吐を吐くような思いでプレーしてたことは、単なる一ファンの立場から想像しても明らかやったんで、そのプレッシャーをようやくはね返せたこと。
そして決勝で待ち受けるアメリカの、強力なメジャーのスター打線に立ち向かうための、大きな武器がやっと復活したこともあり、あの09年WBC決勝のイチロー決勝タイムリーに続く、体中の血が沸騰するような思いをすることができましたわ。
そして試合後の栗山監督のインタビューにおいて、「最後にお前で勝つんだ!」と村上に語っていたという記事を見て、また涙腺が緩んでしまいました…。
いよいよ明日は決勝戦。
学生時代を野球で完結させ、そして野球ファンを続けてきた私も、僭越ながら日本の野球文化の一部やと思ってます。
(WBCだけ話題にするにわかファンと言われる方々も含めて)
どこからどう見ても、アメリカのメンバーはJAPANを上回っており、そしてエースたる大谷の先発はないという状況。
勝機の薄い戦いが予想されますが、それでも今日のような奇跡をもう一度見てみたい。
日本の野球文化が、宗主国のアメリカから尊敬を受けるような戦いをして欲しい。
明日の今ごろ、少しでも満足感に浸ることができれば幸せです。
頑張れ、侍JAPAN!
頑張れ!!
頑張れ!!!
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