落合監督時代は、あらゆる局面で「何故?」を感じることが多く、それを考えるのも一つの楽しみでした。
読了してさらに思いを強くしましたが、彼の全てが正しかったとは思いまへん。
星野や長嶋のように、決して分かりやすくファンを喜ばせるようなことはなかったけど、命懸けのプロの凄みを感じさせ、野球について深く考察する喜びを与えてくれて、そして何より中日ドラゴンズ球団史において、ダントツで輝かしい成績を残してくれた。
本書を読みながら、彼には再び最大の感謝の気持ちを送りたいと思いました。
結局、落合ドラゴンズが強かったのも、理不尽な最後を迎えたのも、彼がプロフェッショナルを突き詰め過ぎたことにあるんやろね。
あらゆる面で情実を一切廃した結果、プロ野球選手の人間性をほとんど考慮せず、マスコミや親会社へのリップサービスもしないという、従来とはまったくかけ離れた監督になった。
好きとか嫌いもなく、チームにあるのは技術があるのかどうか。
日本人が大好きな浪花節を感じさせない、野球だけを間違いなく実行するチーム。
それを理解しようとしない人間は、自分をバカにしてきたとか、不気味さを演出してるとか、誰かと仲が悪いとか、彼に対して点で的外れな評価しかできなかったけど、不幸にもそれが大きな声になってしまったのが悲劇でした。
あの張り詰めたぎりぎりのテンションの野球を見て、そこに何があるのか想像してもらいたかったんやけどな。
「プロフェッショナル」の理解として、彼は決して間違ってなかったはずなんやけど、日本のプロフェッショナルとしては極端過ぎたんやろか。
もう少し日本人気質を汲み取ることができていたら…。
いや、そういう落合監督なら、ああいう野球はできなかったんでしょう。
落合ドラゴンズの栄光も終末も必然やった。
契約社会であるアメリカで、MLBで指導者をやっていたらどうなったやろか。
う~ん、練習させ過ぎでパワハラ認定されたかも知れまへんな(苦笑)。
あれだけの実績がある指導者に、あれからオファーがないというのは、やはり彼という劇薬を身内に置く勇気は、どの球団にもないということなんやろね。
もし彼がユニフォームを着ることがあれば、そのチームの応援に回る可能性大です。
平気で三連戦0得点とかいうどっかのチームを、時間を無駄にして追いかけてる場合やないもん。
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