ドラとは最後まで縁がなかったけど、それでも彼はオリックスでの実質的なデビューから、ずっと私の野球神でした。
あの年、彼を見るために初めてグリーンスタジアムへ行ったものの、途中の豪雨で試合は中断。
しかし嫁さんと再開を願って待ち続け、その甲斐あっての試合再開。
そして再開直後の最終打席で、センターバックスクリーンへ豪快なアーチを見せてくれたのは、私の野球人生における大切なメモリーの一つとなっています。
何よりメジャーのシーズンを控えながら、メジャーリーガーとしては得るものがないのに、まだ歴史のないWBCに二度も出場して、そして第二回大会で優勝タイムリーを放ってくれた。
あの一打は日本野球最高のシーンと言うて、決して過言やないでしょう。
(実際、あの打席のイム・チャンヨンは、メジャーの強打者でも打てんかったはず)
第一期マリナーズの晩年から衰えが目立ち始め、それからはいかに年齢に合わせた打撃をするのか、苦労を続けてきたはずですが、「俺は復活する」という強い信念を見せながらの数年間は、燃え尽きようとする野球生命との闘いでした。
周囲からは「早く引退しろ」という記事も目立ってきましたが、自らの道しか見てない姿には、壮絶なものすら感じられましたわ。
しかし今春、そのバットから魔法が完全に消え失せたことを、私も感じざるを得まへんでした。
MLBの舞台やなくても、野球そのものを続けることは可能やったでしょうが、彼にはMLBプレーヤーで居続けることがすべてやったんでしょうな。
松井秀と比較する声もよくありますが、彼の素晴らしさはそのバットコントロールだけやなく、広い守備範囲と強い肩、判断良くスピードもある足、そして何より入念な準備によりケガせず出場し続けてきたこと。
野球選手としての存在すべてが、日本野球史上の最大の伝説やろね。
素晴らしすぎた。
彼は私の野球の一部やった…。
ホンマにありがとう。
心から感謝しています。
でも、いつまでも貴方のプレーを見ていたかった。
悲しい…
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