関西竜魂「戯言」

関西出身でも、野球を知ったときからドラゴンズファン

2018/1/7  星野仙一は私の宗教だった

 

私の40年以上ものドラフリークとしての人生、その前半を支配していたのは星野仙一でした(後半は落合博満)。

ドラに入れ込み始めた頃には、彼は背番号20を背負ったチームのエース。

気合いを前面に押し出して、引退間際ではヘロヘロ球に威力を乗せるような、力や技を超えたような投球に私は魅入られました。

男とは、野球選手とはこうあるべき。

まだガキだった私に、そういう意識を強烈に刷り込んだのが彼だったのよね。

 

引退後は、NHKスポーツキャスターとして得た国民的人気者を捨てて、Bクラスに沈んだ地方球団の新監督に就任すると、世紀の大トレードで三冠王・落合を獲得するなど、躍動的にチームを強化して二年目に優勝。

第二次政権でも読売とのし烈なデッドヒートを制して、世紀末に優勝。

鉄拳制裁や乱闘など、大いに暴力の匂いをさせ、しかし私はその戦闘的な姿勢に憧れて、彼がドラの指揮官であることを誇りに思ったもんでした。

間違いなく彼は、私の人生、生き様に、大きな影響を与え、私の中に彼が活きているんですわ。

 

しかしそんな私の彼への感情が反転したのは、彼がドラをクビになりタイガース監督に就任したことでした。

いや、タイガースへ行くのは良かった。

ドラのコーチに決まってた、島野氏を強引に引き抜いたのも目を瞑ろう。

でも「甲子園は一番!」、「タイガースファンは日本一!」とか言うセリフは、私にはガマンできんかった。

私が愛したミスター・ドラゴンズは、いつも「ドラゴンズが一番!」というヒーローやったはずなのに…。

常に彼は、率いるチームのファンへの責任を果たしていただけやと、実は私も分かってはいたんやけど、それでも宗教のようにミスター・ドラゴンズを信じていただけに、それを受け入れることはできんかったのよ。

裏切者!

 

6日朝に起床すると、家内から「ニュース見た方がいいよ」と言われ、そしてスマホで記事を確認して愕然としました。

まだ死ぬような年齢やないのに、あの星野が死んだとか…。

憎い、憎いあの星野が。

ザマミロとでも言ってやりたかったはずやのに。

…私のヒーローが死んでしまった。

そんなアホな…。

 

この十数年間の私は、彼に対して愛憎入り混じった複雑な気分でしたが、もうそれも終わりです。

私という人間の何分の一かは、間違いなく星野仙一でできている。

彼が私の中にいる限り、強くても弱くてもドラを愛し、そして野球を愛していきたいと思います。

ホンマに今までありがとうございました。

そしてお疲れ様でした。

合掌。

 

 

 

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