180cm/80kg/右投右打/遠投100m/50m走6.4秒
投げても、打っても、走っても、守っても、全部が人材難なドラの現状では、どこから補強するかが大きな問題やね。
ドラフトでは限られた人材を全球団でシェアしないとアカンし、外国人を補強するにも予算の問題がある。
しかしこういうドン底にある、弱くて何もないチームが強くなるには、とりあえず投手から補強するのが最優先でしょうな。
そういう意味で、今季の目玉であった田中君、佐々木君、柳君や、今井君あたりの誰をドラが指名するのかが注目されましたが、最終的には柳君を指名してクジ運にも恵まれて交渉権を獲得できました。
球団としては、やっぱり素材的に一番と目された田中君を指名したかったようですが、来季の反抗で確実に戦力になってくれる投手としては、ケガ明けというフィジカルに不安があったようで指名を回避。
二番手である佐々木君も複数球団からの指名が確実ということで、確実な選手で確実に交渉権を得るために、柳君を指名したというのが真相やないかと思います。
そういう意味で、即戦力かつ一年目から二桁勝利を狙える投手の獲得に成功し、さらに2位でも即戦力遊撃手を確保した今回のドラフトは、かなり高評価できるのと違うかな。
それでは早速、今季のドラ1である柳君について、その投球ぶりへの感想を書いてみたいと思います。
最速150kmのストレートと落差のあるカーブを軸として、制球良く投げ込む投球スタイル。
大学リーグでは常に投球回数を上回る奪三振数を誇り、かつ与四球数はむしろ少ないという安定した投球内容を見せてきました。
ただしドラフト前にビッグ3である田中君、佐々木君、柳君の動画を見比べてみたんやけど、結論から言えば投げる能力としては個人的に柳君は三番手やという印象でしたわ。
もっと言えばスワローズに2位指名された、同じ明大である好調時の星君と比較しても、柳君の方が優れているという印象は持ってまへん。
最速150kmと言っても、常時投げているのは140km前後であり、力を入れたボールが140km台半ばをやっと超えて来る程度であることから、単純な投げる能力(球威あるボールを投げる)だけで見れば、ドラ1クラスとしては突出したものは少ないように思います。
しかし彼の持ち味は、打者との駆け引きや試合展開を読む能力やないかな。
あちこちで言われている彼への評価は「安定感」であり、決して試合を壊さないというのは非常にタフな投手やないかと思います。
調子が悪くても試合を作ってしまう、そういう投げるボールに表れないメンタルと頭脳が、彼の一番の武器なんでしょう。
問題はその強みをプロレベルでも発揮できるのかどうか、になるでしょうな。
気になるのは、右肩下がりの投球フォームです。
ドロンとした大きなカーブを投げるには必要な投げ方かも知れんけど、リリースが早くなりがちになるため、本来ならボールが高めに浮いたり、制球が乱れやすくなるはずです。
おそらく腹筋と背筋が強いんでしょうが、それを前でリリースできるために、そういう面を見せてないのと違うかな。
しかし長丁場のプロのシーズンを戦う中で、疲労が蓄積してくるとこれらの懸念が顕在化する可能性はあるかも知れまへん。
先輩の川上憲伸のような、スーパーエースになる素材ではないかも知れまへんが、ローテーション三番手で安定して投げる存在になるというのが、私の彼に対する予想です。
この予想を大きく上回るような活躍を見せてくれるなら、こんなに嬉しいことはありまへんので、是非頑張ってもらいたいですな。
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