関西竜魂「戯言」

関西出身でも、野球を知ったときからドラゴンズファン

2019/12/7  ドラフト2位  橋本 侑樹 (大阪商大)

180cm、71kgの痩身から、最速152kmのストレートを繰り出すサウスポー。

大垣日大高時代には甲子園も経験したものの、あまり目立った活躍はできず、しかし大学進学後には一年時から戦力となり、三度の全国大会を経験したほか、四年秋の最後のシーズンではノーヒットノーランを記録するなど、華々しい活躍を見せて一気にドラフト候補生となりました。

もともと季題を抱えていた左腕の顔ぶれから、大ゴマのロドリゲスが退団したことで、力のある左腕の不足がさらに深刻になったことから、チームの彼への期待は大きなものになったでしょうな。

さて彼はその期待に応えるような、即戦力の力量を備えた投手なんやろか。

 

 

投球フォームを見てみると、テークバックまではいい感じに見えます。

打者がタイミングを合わせにくい、小さなテークバックでありながら、しっかりタメを作って軸足に重心を乗せており、胸も思い切り張って力感もある。

とくにこの小さなテークバックはややトリッキーであり、打者に対する大きな武器になるやろね(やや浜田智を想起させますな)。

一方でここからリリースに向かっては、踏み出す右足が突っ張ってしまうところに難を感じます。

浅尾コーチも同様の投げ方でしたが、彼の場合は腰高やったんで、腰を支点にして腕の振りに勢いを与えることができてたんやけど、橋本君の場合はしっかり腰を落としているため、地面に右足が突き刺さって重心移動を阻んでるように見えるのよね。

このフォームだと、ホンマに勢いのあるボールは行かんのやないか。

ちょっと気になりますわ。

 

 

気になるところはありますが、手薄な左腕投手陣の顔ぶれを見ると、出番はあるはずやね。

そこで課題を克服して結果を出してもらいたい。

頑張ってや。

 

 

 

 

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2019/11/25  ドラフト3位  岡野 祐一郎 (東芝)

180cm、85kgのサイズから、max.149kmのストレートを投げる、右投げ右打ちの投手。
聖光学院時代にはU18侍ジャパンに選ばれ、青山学院大へ進んで通算10勝、そして東芝へ進んだ25歳。
大学時代は一部リーグで3勝、二部リーグで7勝したものの、特別に光る成績とは言えまへんでしたが、社会人に進むと大きく成長してドラフト候補生になりました。
ドラ3という上位指名になっただけに、彼へのチームの期待はかなり大きく、即戦力として考えられているはず。
その期待に応えられる力量が彼にあるのか、それは非常に気になりますな。
さて動画は何を見せてくれるやろか。

 


個人的には素材は揃いつつあるドラの右腕投手陣において、『年齢的に即戦力が期待される右腕』の必要性について、正直なところ懐疑的でした。
もっとはっきり言えば、ここでは何度も指摘してきたように、今のドラに新たな右腕は必要ないとも思ってました。
そこへ右腕を上位指名とか、その情報を知った時にはガッカリしてたのよね…。


ゴメンなさい。
素直に謝罪しますわ。
彼は即戦力を期待できるんやないかな。
ドラフト指名時に私が「おっ、これは!」と思ったのは、山井とか田島あたりでした。
いずれも投球フォームのバランスや、ヒジの使い方が良く、キレのあるストレートを投げるといった、技術的にあまり手を入れる必要のない投手やったと記憶してます。
そして岡野君も、そうした投手の一人のように感じられましたわ。
妙なクセのないバランスのいいフォームから、スピンの効いたストレートを投げており、動画見て少々トキめいてしまいました(笑)。
長いシーズンでコンディションを維持できる術と、フィジカルがあるかどうかが彼が活躍するためのポイントでしょうが、もしそれが備わってるなら期待大やないかなぁ。
彼が開幕メンバーに入るかどうか、楽しみにしたいと思いますわ。

 


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2019/11/22  プレミア12

ちーっとばかり時期遅れな話題やけど。
メジャーがほとんど出ないイベントで、「世界一」を繰り返すのにシラけてしまって、実のところ私ゃほとんど見てなかったのよね。
まぁ、もちろん「MLBを除けば世界一」である必要はあると思ってますんで、プロ野球リーグが存在する勧告や台湾には絶対に負けるわけにはいきまへん。
そういう意味で、今日だけは半分ほど見てましたが、とりあえず勝ったことは良かったわ。


ただし侍ジャパンという存在は、NPBにおいてどんなもんなんやろね。
そもそもワールドワイドなサッカーの魅力に対抗するべく、WBCの開催に合わせて世界と戦うためのチームとして成立したのが日本代表。
そしてそのチームが、09年に原監督によって侍ジャパン命名されたと記憶してます。
世界と戦うサッカー日本代表に負けない、国を代表するという看板を手に入れたわけですな。
しかしサッカーのように日本代表がプレイヤーの憧れとなるには、その看板に権威が必要でした。
その権威になってくれたのが、イチローやったのよね。
残念ながら松井秀は参加できまへんでしたが、MLBのトップ中のトップであるイチローが参加することによって、侍ジャパンNPBプレイヤーにとっても憧れの存在になったと思います。


翻って、現在の侍ジャパンはどうやろか。
トッププレイヤーはどんどんMLBへ流出する一方、MLBの日本人プレイヤーは諸事情?で参加せず。
さらにNPBのトッププレイヤーにも、参加辞退が少なくないと聞きます。
こうしてネームバリューのある選手が少なくなり、侍ジャパンのその権威は下がり、そしてプレイヤーたちはその看板へのあこがれを失っていく悪循環。
そうして今後、一般大衆からの関心も失っていくんやないかと、個人的には心配してるのよね。
それは一般大衆からの支持、関心が、NPBが将来的に成立し続けるために、絶対必要なものやと考えるからです。
投手であるダルビッシュや田中は難しいかも知れんけど、打者・大谷が次回WBCに参加してくれるなら、侍ジャパン復権起爆剤になれると思うんやけど。
う~ん。

 


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2019/11/16  ドラフト4位  郡司 裕也 (慶応大)

180cm、83kgの平均的なサイズながら、50m走は6.1秒、遠投100mと悪くないスペックを誇る、右打ち右投げの捕手。
仙台育英高でU18代表となり、さらに慶応大に進んで定評あるリードで、東京六大学ベストナインを二度獲得したという、生粋の野球エリートやと言えますわ。
大学での通算本塁打も9本と、なかなかの強打の持ち主やね。
谷繁元監督以来、ドラは正捕手を固定できずにおり、さらに武山と杉山を戦力外にしたこともあって、捕手は今回のドラフトでの補強ポイントの一つでした。
今季は加藤が主戦として試され、また石橋が期待株として頭角を現しつつありますが、まだ誰も決定的な存在感を示してないだけに、彼の実力には注目したいですな。

 

 


彼はドラフト前から有力選手として注目されてたようで、苦労せずかなりの動画が見つかりました。
打撃だけではなく守備面もチェックできますんで、ありがたかったわ。
だからと言うて、大したチェックなんてできんのですが、とりあえずザッと見た印象を書いてみます。


捕手としてはインサイドワークが評価されてるようです。
これは数字や動画では分からん要素なんで、とりあえず信じとくしかありまへんが、動画を見る限りキャッチングについては、少々ミットがグラついてるように見えます。
バシっと腕ごとボールを抑えて欲しいように思うんやけどな。
捕球から二塁までのスローイングタイムは、動画で見る限りプロの一流とされる1.8秒台と、かなり優秀な数値を叩き出してます。
しかしコントロールにはバラツキを感じますわ。
左肩が開いてるんでしょうが、かなりシュート回転してますんで、狙ったポイントへボールを収めるには苦労するでしょうし、捕る側も難しいかも知れまへん。


一方の打撃の方は、右へも打てるテクニックと、右手の押し込みの強さを感じさせます。
左肩が開かんよう固定しつつ、左足を身体の前に上げてから後ろに降ろして、上体ではなく下半身でスイングをリードしてますな。
実はこのステップの方法は、もともとミスター赤ヘル山本浩二氏がやってたもので、私も若かりし現役の頃に参考にしてたのよね。
これで非常にいい形でトップを作れてたんで、郡司君もプロで活躍してくれると嬉しいわ。


ドラの大学での捕手としては、このオフに戦力外になった杉山が、早大三冠王を獲ったとして期待されたんやけど、一瞬の輝きに終わってしまいました。
それだけに郡司君には、長く輝けるドラの一番星になってもらいたいね。
頑張れ!!

 


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2019/11/10  ドラフト5位 岡林 勇希 (菰野高)

177cm、74kgと現代ではやや小柄な体躯から、max.153kmのストレートを投げる左打ちの右腕。
一方で50mを5.8秒という俊足に、遠投120mというスペックを誇るアスリート。
兄は元カープの投手やったらしく、一年夏からベンチ入りするなど、サラブレッドの血統と言えるやろか。
甲子園で活躍してバファローズに4位指名された、前君にも投げ勝ったことがあるということで、投手としての能力を期待されますわ。
また俊足、強肩、そして高校通算21本塁打の強打の外野手としても知られ、プロ入り後にどの方向へ進むのかが注目されてます。

 

そんで動画やけど、彼の場合は何本か見つかりました。
投手としての動画がほとんどなんやけど、それを見る限りストレートの球質は悪くありまへんな。
肩の可動域が広くて、テークバックが大きく取れるため、腕のスイングによるボールの移動距離も長くなり、強い力を加えることができてます。
このためスピンの効いた、速いストレートを投げてますわ。
一方でテークバックで左腕を高く上げるせいか、顎が上がってしまい、ボールが低めに行かないという欠点も見えるような気がします。
まぁ、それでもあのボールを見る限り、投手としても有望やないかと思うんやけどね。


しかしチーム事情を考えれば、個人的には彼は外野手で育てて欲しい気がするなぁ。
50m走5.8秒、遠投120mというスペックは、それぞれチームでもトップクラスであり、高校通算21本塁打の打力もある。
ポジションの違いはあるけど、うまく行けばドラゴンズの「今宮」になれるんやないか…、と期待してしまいますわ。
フィジカル的に優れた選手のようなんで、正しく技術を植え付けて、大きなスター選手にして欲しいもんやね。
まずはその進路に注目してます。

 


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2019/10/28  ドラフト6位 竹内 龍臣 (札幌創成高)

指名した選手には関係ありまへんが、ドラフト当日にも書いたように、個人的には右腕より野手、とくに外野手の指名を優先して欲しかったのよね。
質量ともに不足してるというのは、衆目が一致するところやと思いますんで。
しかし、そういうチーム事情にもかかわらず指名された右腕たちには、むしろそういう懸念を払しょくするような大活躍を期待したい。
頑張ってください。


では本題の竹内君へ。
178cm、80kgの体躯から147kmのストレートを投げ込み、高校三年時までの急成長で注目されたという右腕。
高校二年秋までは、130kmを少し超える程度やったという球速が、徹底した身体作りにより一年足らずで15kmものスピードアップを達成したあたり、自ら成長しようという意欲が垣間見えますな。
これだけの成長スピードは、彼の素材の良さも示しているようにも感じられますわ。
しかし、何より彼のポイントが高いのは、北海道出身ながらドラゴンズファンというところやろか (笑)。
ドラゴンズを愛する若者が、ドラゴンズを強くする。
そういう日が一日も早く来ることを待ってます。

見つかった彼の動画は二本。
どちらも引き気味の画面でありアップがほとんどないため、なかなか彼のフォームは分からんのですが、それでも無理やりコメントせんといかんかなぁ。
特徴としてはあまり腰を沈み込ませず、高い位置でリリースしてるように見えるところやろか。
あまり上背はないだけに、角度を出せる投げ方かも知れまへんな。
一方で左肩の開きが早く、打者に胸を見せてしまうのはマイナスやね。
まだ身体も高校生のそれであり、また技術的にも覚えることが多そうなんで、大学に四年行ったつもりでデビューするつもりでええのと違うかな。
それまでは武器を磨いて、見どころがあると首脳陣に思わせることが重要。
頑張ってもらいたいですな。

 


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2019/10/19  育成ドラフト1位 松田 恒哲 (名古屋大)

さてドラフトも終わったし、恒例の指名選手に対する寸評を書いてみましょうか。
正直なところ、育成も含めた指名選手の七人については、石川君をほんの少し知ってるくらいで、ほかの六人に対してはち~っとも知識がありまへん。
しかも以前から書いてるように、たったの一試合とか一部のみ切り取られた動画だけで、選手の力量を図るなんつーのはムリなんで、例によって何の根拠もない戯言やと思って読んでいただきたく思います。


まずは育成指名の松田君についてやけど、彼は高校時代はバレー部やったという異色の経歴が話題の、176cm、83kgのサウスポー。
上背はそれほどないものの、最速148kmをマークするボールが注目され、旧帝大の名古屋大から初めてドラフト指名されたという存在。
ド素人が腕一本で、プロ野球の門を叩くところまで到達したわけやから、それだけで私のような人間には尊敬に値する選手やと思ってます。
泥にまみれて、いつかナゴドのマウンドに立つという、そんなサクセスを見せてくれると嬉しいですな。

 

とりあえず彼の動画は、YouTubeに一本だけでした。
そんで彼への第一印象やけど、そのインステップ気味のフォームは、パッと見では少々力感に欠けるかな。
そのためか、相手打者のレベル的に空振りも奪ってましたが、このゲームでのボールにはあまり球威を感じまへん。
動画がホームベース側からで判断しにくいけど、そう感じる理由は、軸足のパワーが抜けてるように見えるからやろか。
もう少しグッと腰を落として、軸足のケリを生かせるようになれば、もっとええボールが投げられると思うんやけどね。
またカーブを投げる際に、極端にモーションが緩むあたりは、やはりキャリア不足を感じさせます。


一方で、投球毎にモーションのスピードを変化させてるのを見ると、キャリア不足をカバーしようとする工夫が見えますわ。
成長しようと努力する姿勢。
それが彼のド素人からの急激な成長を、支えてきたんでしょうな。
プロの世界でも、その姿勢が彼を助けてくれることを期待したいと思います。

 


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